2012年10月8日月曜日

只管打坐/マネジメント力で差が出る継続できる仕組み




人は仕事だけしているわけではなく、いろんなことをして、仕事から注意が離れる環境で暮らしています。ですから都度、仕事に意識を戻す作業が絶対に必要なのです。それには注意が離れる前に戻したとき、ポジティブな気持ちになれるような状況をキープし続けることが必須です。優れたマネジャーは、この点で長けています。必要なタイミングでコミュニケーションをとり、部下のひとりひとりを最高のモチベーションレベルに引き上げます。「今日も昨日のようにやればうまくできる」と思わせる技術・・・それがマネジメントです。

只管打坐」・・・・「しかんたざ」。ひたすら坐禅することを言いますが、その真意は「ひたすら、いまこの瞬間に打ち込んでいることが幸福」にあります。只管打坐の重要な点は、 ただひたすらになるまで、ただひたすらに坐禅をすること。つまり余計なものを全部そぎ落として行く点にあります。心配事や余計な意識を全部取り除きひたすら集中できるように持って行く。それがマネジャーの才覚です。

継続はそこから生まれます。「今日も昨日のようにうまくできない」と思う状態なら、研究者を除けば、継続させないことが必要なのです。「今日も昨日のようにうまくできないが継続しろ」というのは間違いを続けなさいという意味に他ならないのです。 


継続のポイントは、まず全体を把握することです。と、いっても全体像には2通りあります。
ひとつは、そのことは完成するタイプ。もうひとつは、そのことは進化が続きエンドレスのタイプ。完成するタイプとは、プロジェクトとかキャンペーンというのがそうです。
エンドレスの場合は一応の区切りをつける必要があります。一般のビジネスはほとんどエンドレスですが、年度決算がありますので、これが区切りになります。

これでどちらのタイプも全体のスケジュールをイメージできるので、全体をいくつかのステージに分けてコンパクト化できます。年度決算を目標にすれば一年が最終目標、4半期ごとにステージを区切ると3ヶ月ごとに目標が設定できます。さらに3ヶ月を1ヶ月の目標に設定でき、1ヶ月を10日単位の目標設定にすると、さらにコンパクトになります。一般にはこんな感じでしょう。これで全体が把握できます。

さて、いよいよ、ここからが、継続対策です。

一番ロングランな年度決算を目標にした場合で説明します。まず最初の10日間。ここでなにがなんでも目標の2倍程度の結果を出します。

ダイエットに置き換えるなら、3ヶ月で10Kg減量したい場合、9旬間ありますので、1旬間なら1kgちょっとでいいのですが、何がなんでも2Kgの減量を実現します。これが以後の基準になります。と、いってもそんなに無理はできません。1kgちょっと以上を確実に達成するためです。常に目標のペース以上を達成している状態を維持します。期間中、つきあいもあり酒宴に参加することもあります。思わぬインパクトの強いストレスを受ける場合もあります。こういうネガティブな要素を全部考慮しておく必要があるので、常にハイペースであることが必須なのです。

飛行機は離陸のときに一番エネルギーを使います。後は水平飛行、ゆるやかなアップダウンです。これと同じ要領です。

最初の10日間でなにがなんでも目標の2倍程度の結果を出すには、どうしたらいいのでしょう。飛行機が離陸のときに乗客も含めて緊張感をもって集中するように、緊張感のある集中が必要なのです。職場に置き換えると、自分たちが何をどのようにいつまでにしようとして、自分たちがどうあるべきなのかを徹底するのです。つまり5W!Hとひとりひとりの在り方について言葉で説明できなければいけません。しかし実際には言葉で説明できない管理者も少なくないのです。説明できないと部下は説明、指示がなかったのと同じ状態になります。継続するべきものの質が最初から悪いということになります。離陸の時に結果が出ないと失墜します。とにかく離陸を成功させます。成功の絶対条件です。

つまり事前準備にかかっています。事前に失敗する要因がないか見つけて手を打っておきます。予測できる失敗が起こるとどうなるか、その因果関係も含めて手を打っておきます。

部下を持たないマネジャーの場合も同じです。自分が継続できない、つまり思うように進まない状態に陥らないように手を打っておくのです。それには、どうすればうまく出来るのかを知っておく必要があります。テストの必要です。テストでこうすればできるという結果を出しておき、本番ではPDCAで微調整していくのです。本番でPDCAを繰り返す規模が大きいというのは、分からないまま取り組んでいることを意味します。「PDCA×時間」ということを忘れていると、バタバタしてペースが乱れるのは必至です。

テストすらできない場合では、どうすればいいのでしょう。通常計画は、その通りやれば達成できるというものでなければ意味がありません。実行計画が提出され、その内容の説明を受け、信憑性があれば、合意の上、受理します。もし達成不可能と判断したなら、その計画の受理は拒否するのが正しい仕事のありかたです。

もしそこで「どうなるか分からんがやってみよう」ということであれば継続できないことも受け入れざるを得ないのです。結果が伴わなければモチベーションも下がるのは必至です。それでも頑張れということになると精神論で突破せよというのと同じです。ムチを入れたら結果が出る仕組みがないのに、ムチを入れるとチームは分解の危機に至ります。

実行計画の精密度、それを裏付けるのがテストです。これが共にない場合、継続は困難になります。対象が研究者とかいうのであれば話しは変わりますが、ある一定期間に成果を出す事が求められるビジネスマンに研究者と同じスタンスで臨むわけにはいきません。

あなたが起業するなら、起業前に、実行計画の精密度、それを裏付けるのがテストは必ずやっておくべきです。部門長なら取り組む前にテストをしてから、実行計画を策定すべきです。つまり技術的な問題と意欲の問題は別の問題であり、実行段階でひとつに練り上げてプロセスを進めていくのがマネジメントなのです。

人は仕事だけしているわけではなく、いろんなことをして、仕事から注意が離れる環境で暮らしています。ですから都度、仕事に意識を戻す作業が絶対に必要なのです。それには注意が離れる前に戻したとき、ポジティブな気持ちになれるような状況をキープし続けることが必須です。「今日も昨日のようにやればうまくできる」と思わせる技術・・・それがマネジメントです。継続はそこから生まれます。「今日も昨日のようにうまくできない」と思う状態なら、継続させないことが必要なのです。「今日も昨日のようにうまくできないが継続しろ」というのは間違いを続けなさいという意味です。


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