2012年12月10日月曜日

萬法一如/ビジネスシーンはGIVE&GIVENが王道


人間関係には、大きく分けると共同的人間関係と交換的人間関係があります。
昭和のイメージを継承しているビジネスシーンではGIVE&TAKEの交換的人間関係に偏る傾向がありますが 、今頃、GIVE&TAKEを唱える人は少ないでしょう。相手の喜びを自分の喜びとする共同的人間関係つまりGIVE&GIVEN を推奨しています。

GIVE&GIVENと相手の喜びは自分の喜びを同じ感覚で捉える方には、GIVE&GIVENに懸念を抱き、GIVE&TAKEを選択するようになります。そのくせWIN-WINを標榜したりするという矛盾に気がつきません。

この間違いの原因は、アサーション、アサーティブの理解不足から生じている「GIVE&GIVEN?=相手の喜びは自分の喜び」の図式です。これではアサーションになりません。

アサーション権でご説明したように、自分を大事にして相手も大事にするアサーションと、相手の喜びは自分の喜びとする生き方は全く異質で、後者はアサーション権を手放すことでしかありません。GIVE&GIVENは、自分を大事にして相手も大事にするためです。
その理解を深めていただくには、より大きな人間関係といえる「共同体」への認識を深めていただくのが早いのではないかと思います。

共同体(コミュニティー)は以下のように大別できます。

・地球家族
・アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米、南米、オセアニア
・国
・都道府県
・組織、集団、グループ、町内
・家族
・核家族
・カップル、友人




共同体を意識として捉えている範囲には個人差がありますが、実際には人間はいくつもの共同体に属していて、互いに影響を受けまた与えている相互依存の関係にあります。

これら共同体との関わりを「戦略の3C」を使ってフレームワークします。
戦略の3Cとは、Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)です。3Cのバランスを熟慮して効率的な関係を育むようにします。
マートワンのビジネス・アサーションでは、しきりに相手目線で考えることを強調しています。
この3Cについても同じで、自分目線で観るのと、相手目線で観るのでは全く違った風景にもなります。念を押すと、自分を大事にして相手も大事にするのは、目標を達成するための在り方として効率がいいからです。併せてテクニックではなく在り方であることも念を押しておきます。
マートワンのビジネス・アサーションでは、この3Cを共同体として捉えています。つまりチームワークです。店舗を核にした会社・従業員・お客様・地域社会をひとつのチームととらえます。地域社会には競合も含んでいます。きれいごとではありません。それも戦略なのです。
禅語に「萬法一如」があります。「ばんぼういちにょ」と読みます。みんなが互いのことを考えて生きるという意味です。ビジネスの世界で説明すると以下のようになります。
仕事をして「お金を稼がないと世の中で生きて行けない」しかしそれだけではありません。社会のためになにかすることです。あなたのしたことで周りが笑顔になり、感謝してくれる。この喜びこそが個人にとっては生きる喜びの実感なのです。仕事イコール喜びと考えるのです。あなたにできることがあるはず。それが仕事になり、花咲き、ビジネスとして成功していく。
たとえばAppleを考えてみましょう。Appleの製品は美しい仕上がり、使いやすいので「印刷業界」「教育関係」に喜ばれました。しかし安価な WINDOWSがパソコン市場ではシェアを獲得し、倒産の危機を迎えます。Appleは個人をターゲットにして生き延びを図り、Macをコアにしたプロジェクトを展開します。 iPodは大ヒットし、さらに iPhone 、iPadで人々に生活の在り方を変えることで世の中を変えました。この物語は萬法一如」のいい例です。
自分だけが幸福になりたいと思うと矛盾は至る所に生じます。みんなが互いのことを考えて働く仕組みでは矛盾はなくなります。
問題はそうすると自分の利益が減ると考える習慣があることです。とんでもない勘違いです。その発想の根源は不安と恐怖です。不安と恐怖に支配されると人は間違いを間違いと認識できなくなってしまう弱い生き物なのです。弱い生き物がジャングルを生き抜く方法として間違った考えを採ってしまい、結果不安を現実にしてしまうのです。
働いて自分がうれしい、お客様もうれしい、会社もうれしい、「萬法一如」はWin-Winの世界を表した言葉なのです。それはまさしく幸福生産性を高める基本的な教えです。



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